かなり昔のことですが、平成16年9月6日、産経新聞3面に「ホームへルパー廃止へ 100万人利用者に波紋」という記事が載って話題になったことがあります。
これは、「介護保険の見直しに関する意見」(厚労省社会保障審議会介護保険部会)にて、「介護福祉士養成過程1650時間、2級ヘルパー養成過程130時間で大幅な開きがある。介護職場において、介護福祉士資格よりも人数が多いホームヘルパー2級の資質を向上させる必要がある。」という提案がなされたことを曲解して書かれた誤報だったといわれています。
その後、ホームヘルパー制度について、厚生労働省でも色々動きがありました。
現在、厚生労働省は、介護の資格を「介護福祉士」と、「介護職員基礎研修の修了者」の2つに整理しようとしています。介護職員基礎研修というのは、新たに創設される、ホームヘルパーと介護福祉士の中間的な資格です。
果たしてホームヘルパー資格はどうなるのでしょうか?
結論から言うと、
●1級は、廃止予定
●2級は、未定
●3級は、廃止
となっています。
以下、詳しく説明しましょう。
現在、ホームヘルパー3級は事実上廃止状態になっています。ホームヘルパー3級は、身体介護は行えず家事援助のみ、介護報酬(事業所に介護保険点数に応じて入ってくる金額)の減額対象という宙ぶらりんな資格でした。この資格は、平成21年3月31日をもって事実上廃止のアナウンスが厚生労働省からありました。ただし、現在就業中の3級資格者の2級への移行期間として、1年の期間を設け、平成22年3月31日をもって廃止となりました。
ホームヘルパー1級については、厚生労働省の「今後の介護人材養成の在り方に関する検討会中間まとめ」にて、「介護職員基礎研修の創設に伴って平成24年3月に廃止される予定」となっています。ホームヘルパー1級はヘルパーの管理的なスキルを持った資格なので、「介護福祉士」とも重なる点が多く、ホームヘルパーと介護福祉士の中間的な資格として創設される「介護職員基礎研修の修了者」とも重なることから、整理されることとなりました。
さて、就労人口の最も多いホームヘルパー2級ですが、今のところ廃止の具体的アナウンスなく、しばらくは現状維持で継続されるものと思われ、すぐにホームヘルパー2級資格で仕事がなくなるとは考えにくいです。上記「ホームヘルパー3級」の廃止でさえ、案が出てから9年かかりました。ホームヘルパー2級は人口も多く、これを性急に廃止すれば介護の現場では大混乱に陥ることでしょう。ただし、「介護職員基礎研修」受講でのスキルの底上げを推進するため、ホームヘルパー2級を将来的に「介護報酬の減額対象資格」とする可能性はあり得ます。
では、介護職員基礎研修を修了するには、何時間の受講が必要なのでしょうか?
「平成20年2月 厚生労働省老健局『介護職員基礎研修について』」によると、基本は500時間ですが、実務経験と現在持っている資格によって時間数の免除があります。
実務経験1年以上の場合
ホームヘルパー1級:60時間
ホームヘルパー2級:150時間
ホームヘルパー資格なし:300時間
実務経験1年未満の場合
ホームヘルパー1級:200時間
ホームヘルパー2級:350時間
ホームヘルパー資格なし:500時間
前述したとおり、今のところホームヘルパー2級廃止の具体的なアナウンスはありませんし、実務を1年経験しておけば、万が一廃止となっても、「介護職員基礎研修」の受講時間が短くて済みます。
以上のことから考えて、今ホームヘルパー2級の資格を取得するのは、決して無意味ではありません。
