ホームヘルパーの資格取得のために講義、実技、実習と順調に終了。念願のホームヘルパーになったものの、講習で一生懸命学んできたことが、生かされなかったり、思うようにいかなかったり、そのギャップに悩み、落ち込んでしまう方もいるようです。
私が、現場で仕事をし、現実で起こった中で感じたこと、同じホームヘルパーの仲間たちの声など、数点書き記してみました。これからホームヘルパーを目指す方、現在、ホームヘルパーの仕事をしていて悩んでいる方の参考になれば幸いです。
「特別養護老人施設」など、夜勤がある場合、1ユニット(10人ほど)をヘルパー1人で担当しなければならない施設もあるので、正直、何かあるとパニック状態になります。また、不眠症や昼夜逆転している高齢者の話相手になったり、夜間のためシーツを汚してしまう回数も多く、その交換などで、朝まで一度も仮眠どころか、休憩さえとることができないと話すホームヘルパーもいます。
夜勤のたびに、このような状態が続き、体力も気力も続かないと辞めてしまう人も……。夜勤勤務のある施設は、スタッフの出入りが多いという話を聞きます。やはり、それだけ大変であることは確かなようです。しかし、夜勤の翌日は休みで、続けて夜勤ということは、まずありません。他の日は、日勤の早出、遅出などのシフトを担当することになります。こうした施設は、高齢者の人数もスタッフも多いため、一緒に遠足や花見に行ったり、クリスマスパーティー、ひな祭りなどのイベントを共に楽しんだりと、「訪問介護」にはない良さがあります。
「デイサービス」で、お迎えに行っても、「行きたくない」と現場でダダこねをしたり、逃げたりする高齢者もいます。「デイサービス」で、皆が待っていることや楽しいイベントがあることなどを話して説得しても難しい場合は、無理矢理、車に押し込むようなことはしません。
かろうじて、乗ったとしても、施設に着いた途端、「帰る」と言い出し、帰り支度をしてしまう利用者も現実にいます。そのときは、家族に連絡をし、迎えに来てもらうようにします。「デイサービス」のプログラムには、カラオケや習字、ビリヤードなどがあり、利用者に声かけをしますが、「やりたくない」、「興味がない」という方には、無理に参加してもらうことはしません。
しかし、中には、本当は参加したいけど、恥ずかしいからと消極的な高齢者もいらっしゃるようで、「一緒に行きましょう。見ているだけでも楽しいですよ」と誘ってみます。そうすると「ならば……」と重い腰をあげてくれることもあります。一人一人の性格を、ある程度把握しておくことで、どのように対応していけばよいか理解できるようになります。
「訪問介護」の場合、ホームヘルパーの中には、食事のメニューに頭を痛ませてしまう人もいらっしゃいます。本人の嗜好や健康状態によりますが、「今日は、何が食べたいですか?」と聞いて確認するのがベストです。「特に食べたいものはない」と言われたら、「さっぱりしたものがいいですか?煮物、焼き物どちらがよいでしょう」といった言葉で誘導してあげるようにします。
また、咀しゃく、嚥下障害(食べ物をうまく飲み込むことができない状態)がある高齢者の場合は、材料を細かく切ったり、柔らかく煮込んだり、かたくり粉などを利用して、とろみをつけてのど越しをよくするなど、調理方法を工夫することも大切です。
食事の介助は、自力でできる場合は、本人にまかせて、見守る形にします。
楽しく食事ができるよう、会話をするのも、ヘルパーの仕事の一つですから、本人の趣味の話や、好きな本や映画の話題など、あらかじめ調べておけばスムーズに会話が進むことでしょう。会話は、聞き上手に徹するくらいがベストです。
トイレに自力で行ける人は、1人でトイレに入ってもらい、ヘルパーは外で待ち、時々声をかけてあげるようにします。心配だからと、利用者の意志も確認せず、一緒に入ることは、よくありません。本人のプラバシーを考慮してあげることが大切です。トイレの外から、「大丈夫ですか?」と声をかけて「はい」と返事があれば、そのまま待ちます。トイレに入っても、下着の着脱がうまくできなかったり、陰部の清拭ができずに、助けを呼ぶこともあります。そのときは、トイレに入り介助をしてあげます。
入浴は、血圧、体温を測るなど、利用者らの健康状態をチェックしてから、行います。入浴をすすめても、嫌がる高齢者もいますが、無理強いをせず、時間をあけて、また誘うなど、本人の意志を尊重するようにします。
現場では些細なトラブルが起こることも多いようです。たとえば、訪問しても、利用者の機嫌が悪く、「帰ってくれ」と家に入れてもらえなかったり、掃除をしているときに、「家にあるものを盗んだだろう」と疑われたり、男性の高齢者に抱きつかれたり、性的な言葉をかけられたりすることもあります。こうしたトラブルが起こったら、事業所の責任者にその旨を報告し、相談するようにします。
