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ホームヘルパーをやっていて良かったこと

ホームヘルパーの仕事は、とてもやりがいのある仕事であり、やっていてよかったと思うこともたくさんありました。

その中でも、特に印象的だったことをご紹介します。

 実務経験のないまま、いきなり「デイサービス」のスタッフとして働き始めた当初、利用者の名前と顔を覚えることに一生懸命でした。覚えたての名前を呼ぶと、利用者は、ニッコリと笑みをうかべてくれます。その笑顔が嬉しくて、頑張って名前を覚えようと努力したものです。

お茶出し、食事の配膳、歩行やトイレの介助など、どんなときでも、利用者の方々は、笑顔で「ありがとう」といってくださいます。この言葉を聞くたびに、ホームヘルパーになって良かったと感じるのです。

 また、人生の大先輩のお話は、とても興味深く、いろいろな体験談、知識や知恵が泉のように湧き出てきて、「なるほど!」と感心することばかり。嬉しそうに聞く私を見て、利用者も、わくわくした表情で話を続けてくれます。こうした、利用者の笑顔は、私の元気の源となっていました。

「デイサービス」の利用者の方々は、比較的、元気な高齢者が多かったのですが、中には、認知症の方、1人では歩行が困難な方、車いすの方もいらっしゃいました。

週に1度、外部からパン屋さんがくる日があり、軽い認知症の女性が「パンを買いにいきたい」と希望したので、手をつないで、1階にあるパン屋さんに一緒に行きました。その女性は物静かでしたが、私の手をしっかりと握り締め、「どんなパンがあるんだろう?」と聞いてきたので、「美味しいパンがあるといいですね」と答えました。女性は、自分でパンを選び、お金を払い、また、私の手をギュッとつないで帰ろうとしたとき、突然、袋からメロンパンを出して、私に渡したのです。

私は、利用者に自分の分を買わせたと勘違いされたら困るので、お断りしたのですが、「着いてきてくれたお礼です」と笑みを浮かべていうので、その場は、「ありがとうございます」とお礼を述べ受け取ることにしました。2階のフロアから1階まで一緒に着いてきただけなのに、感謝されるとは思いもよりませんでした。たとえ短い距離でも手をつないで一緒にいてあげることで、安心を与えることができるのだということを実感しました。

2階のフロアに戻り、責任者の方に、一部始終を話したところ、「問題ないから受け取ればいいのよ」といわれ、心から喜ぶことができました。そのメロンパンは、すぐに食べるのがもったいなくて、帰宅し、パン屋さんでのひとときを思い返しながら、味わっていただきました。

ホームヘルパーという仕事は、精神的にも肉体的にも、大変な部分がありますが、喜びもたくさんあります。利用者がニコッと微笑んでくれるだけで、明日も、頑張ろう!と意欲が沸いてくる、そんな素晴らしいヘルパーという仕事に就くことができて、本当に良かったと思います。